●2015年10月29日
■ 当奮闘日記№147でも紹介した「QM戦略実践協会(NKSのQM
S活動を基にした、組織の仕組みづくりの提供・普及活動)」
企業様を交えたセミナー・勉強会をスタートして、1年が経過しまし
た。
詳しくは→ QM戦略実践協会HP http://www.qm-senryaku.or.jp/
■ 参加企業のA社(部品製造・販売業)は非常に熱心で、経営者が
中心となって「仕事の見える化」活動に取り組まれています。
仕組み化した商品開発プロセスでは、その運用を始めて商品開発に
関わるトラブル件数が激減したそうで、その成果にも、また嬉しそうに
語られる経営者様の姿を見て、こちらも嬉しい気持ちになりました。
■ 「どんどん仕組み化していきたい」という更なる熱い想いから、定
例の勉強会とは別に「特別勉強会」まで希望されるほど。
その「特別勉強会」では、A社のリクエストもあり「不良/クレーム
対策の仕組み化」をテーマに議論しました。
■ その議論の中で「不良やクレームの原因は何か?」を探っていると、
「品質の定義が曖昧」という意見。
更にどういうことかを聞いてみると、
「我々(A社)はこれくらいの擦り傷は、部品を量産しているの
だから仕方ないと思う物でも、お客様の中には完璧なツルツル
ピカピカな高品質な物を求められる方もいて、その場合はどうし
てもクレームになるんです」
私が客でも、新品で購入するものはツルツルピカピカであればある
ほど嬉しい。でも現実的にはしょうがないかぁと思うこともあり、
結局どこでお互いの折り合いをつけるかになると思う。
■ その話を聞いて思ったこと。「品質の定義」って何だろう?
企業側が思う「品質」、お客様が思う「品質」…
要は双方の「品質」に対する価値観が合わないからクレームになる。
■ そこで聞いてみた
「A社の製品の品質って何ですか?」「・・・」
「例えば5つ星評価であれば、幾つ星ですか?」「う~ん・・・」
具体的はおろか、抽象的にも「自社製品の品質」について捉えられ
ていない…?
原因追究で出てきた「品質の定義が曖昧」まさしくその通りなのだ。
A社の勉強会は一旦ココで終了。「自社製品の品質とは」を宿題と
して持ち帰ってもらい、次回の勉強会で再度議論することとしたのだ
が…
そうは言ってみたものの、「品質の定義」って…すっごく難しい!!
■ 誰でも「品質」は高いに超したことはない。良い物を提供したい
し、良い物が欲しい。上を見ればキリは無い。
…ってことは逆に考えれば、「当社の製品は、コレとコレとコレを、
このように保証します」という、『企業として絶対保守する最低限の
こと』を「品質」と位置付ければ良いんじゃないか!
私は長く「品質」に携わってきて、今更感は半端ないが、めちゃめ
ちゃ目の前が開かれた感じ。
■ 最低限保守するラインが「品質」のスタートで、それより上になる
ほど「高品質」となる。
まずはスタートラインを企業としてハッキリさせて、お客様に提示
する。お客様も「品質」が具体的に分かるから選び易いし、評価もし
易い。
少なからず「品物が届いて開いてみたら、こんな程度…」のような
価値観のズレでクレームが起きるようなことは少なくなるであろう。
■ ということで、次回のA社との勉強会は「品質」を軸にした議論に
なると思う。楽しみ。
そういうNKSの「品質」は…それはまた次回ご紹介。
△ No.152 NKSの校正品質は「人」が握っている
▽ No.150 いざ!「クオリフィケーション業務」で再スタート