●2015年12月3日
■ このところ当社では、各課がいろんなテーマを持って、盛んに勉強
会が実施されている。
筆者が所属するQM運用保証グループ(一般でいう品質保証を担当)
でも、各事業所のQM運用保証責任者が持ち回りで主催者となり、月
2回勉強会と意見交換を実施している。
■ 先日実施した勉強会の中で、ある責任者が次のような運用上の迷
いを打ち明けてくれた。
『新規で設備を導入している現場が対象の業務なんだけど、その設
備での製造ノウハウの流出を防ぐために、お客様から設計図や配
置図、具体的な計測器の仕様等の資料や情報が貰えない。
設備導入から作業実施日程も短く、現場調査も出来ない。だから作
業現場がどうなっているのか、どんなリスクがあるのかが確認出来
ない。
実際仕事を請けて、現場を見て「作業出来ない」と断ることは簡単
かも知れないが、すぐに対応可能な外注先が見つかるとは限らな
い。
それではお客様に迷惑を掛けてしまう。』
■ この悩みを聞いて他の参加者があの手この手の意見やアドバイス
を出してくれている…うんうん…いや、ちょっと待てよ。
校正業務はお客様のニーズを基に、時間をかけ工夫を重ねて作業実
現のための段取りをしなければ、安全確実な校正作業は実現出来ない。
けれどもこの事例は、段取りをするための情報が無い。そんな不確
かな状態で安全確実な校正作業が保証できる訳が無い。
■ この責任者の「お客様想い」の気持ちは嬉しいけれど、迷惑が掛か
るのはお客様だけじゃなく、当社にだって迷惑が掛かるんじゃない
の!?
不確かな情報でリスクが解消されず、それでも作業を何とかやろう
として、そこでもしもトラブルが出たら…
当社も辛いし、お客様だって辛いよ。それって顧客満足???
■ ISOって「顧客満足の向上」を目標としているから、何とかお客様
の要望を聞き入れ、実現してあげたいとは思うけれど、私にとって
は社員も会社も大事だ。
社員が辛い想い・不安な状況になっているのを、見過ごす訳には
いかない。
お客様とは「先も立ち、我も立つ」関係性で校正業務を請負い、そ
の上で顧客満足の向上を目指したい…と強く思った勉強会でした。