QMS定着への奮闘日記 >

QMS定着への奮闘日記

No.156 「先も立ち、我も立つ」顧客満足の向上を目指す姿勢

2015年12月3日

  このところ当社では、各課がいろんなテーマを持って、盛んに勉強
   会が実施されている。

   筆者が所属するQM運用保証グループ(一般でいう品質保証を担当)
   でも、各事業所のQM運用保証責任者が持ち回りで主催者となり、月
   2回勉強会と意見交換を実施している。

  先日実施した勉強会の中で、ある責任者が次のような運用上の迷
   いを打ち明けてくれた。

   『新規で設備を導入している現場が対象の業務なんだけど、その設
    備での製造ノウハウの流出を防ぐために、お客様から設計図や配
    置図、具体的な計測器の仕様等の資料や情報が貰えない。

    設備導入から作業実施日程も短く、現場調査も出来ない。だから作
    業現場がどうなっているのか、どんなリスクがあるのかが確認出来
    ない。

    実際仕事を請けて、現場を見て「作業出来ない」と断ることは簡単
    かも知れないが、すぐに対応可能な外注先が見つかるとは限らな
    い。
    それではお客様に迷惑を掛けてしまう。』

  この悩みを聞いて他の参加者があの手この手の意見やアドバイス
   を出してくれている…うんうん…いや、ちょっと待てよ。

   校正業務はお客様のニーズを基に、時間をかけ工夫を重ねて作業実
   現のための段取りをしなければ、安全確実な校正作業は実現出来ない。

   けれどもこの事例は、段取りをするための情報が無い。そんな不確
   かな状態で安全確実な校正作業が保証できる訳が無い。

  この責任者の「お客様想い」の気持ちは嬉しいけれど、迷惑が掛か
   るのはお客様だけじゃなく、当社にだって迷惑が掛かるんじゃない
   の!?

   不確かな情報でリスクが解消されず、それでも作業を何とかやろう
   として、そこでもしもトラブルが出たら…
   当社も辛いし、お客様だって辛いよ。それって顧客満足???

  ISOって「顧客満足の向上」を目標としているから、何とかお客様
   の要望を聞き入れ、実現してあげたいとは思うけれど、私にとって
   は社員も会社も大事だ。

   社員が辛い想い・不安な状況になっているのを、見過ごす訳には
   いかない。

   お客様とは「先も立ち、我も立つ」関係性で校正業務を請負い、そ
   の上で顧客満足の向上を目指したい…と強く思った勉強会でした。

△ No.157 NKSの校正作業の顔 「JOB統括者」輩出大作戦
▽ No.155 『よろず相談カフェ』開店します