●2016年3月31日
■ 前回は、内部監査で見えてきた問題は『改善の種』」と呼んで印象
を変えたということをご紹介しました。
■ 今回は『改善の種』をどのように展開しているかをご紹介します。
①『改善の種』は、3つの側面で分析
●技術上の側面
●人の運用上の側面
●ルールの有無・適切性
この3つは当社のQMSを動かす重要な要素。
見えてきた『改善の種』がこの3つの側面のどこに当たるかを篩い
分け、何が問題・原因かを分析します。
考えなければならない側面・要素をハッキリさせることで、問題に
合った対策を立てることが出来る。
しかも「これって運用上の問題だったけど、技術上にも手を打たな
ければならないかもしれない!?」と潜在的な問題にも目が向くよう
になった。
【メリット】1つの『改善の種』に対してあらゆる角度から分析。
②『改善の種』は全て「改善の種および是正処置(履歴)で全社にオープン
どこで・いつ・何があったのか、その原因と対策は何か…までを一
覧表で纏め、「改善の種および是正処置(履歴)」で社内イントラ
ネット上に開示しています。
「改善の種および是正処置(履歴)」は社内にあるパソコンであれ
ば、いつでも誰でも閲覧可能。
【メリット】(その掲示板を開きさえすれば)全社員で情報を共有。
③『改善の種』は全社一斉に水平展開
全社で情報共有もしていますが、本部から「A事業所ではこんな状
況だったけど、他の事業所ではどうですか?」と全社に一斉発信。
各事業所からの状況報告もオープンにして、全社でシェアしながら
対策を講じたり、進捗状況を確かめたりしている。
【メリット】(見方を変えれば)毎月全社が内部監査を行っているよ
うな状態。
《参考:改善の種および是正処置(履歴)》
■ 上記で紹介した展開は、「内部監査を機能させたい」という想いから
始まった工夫ですが、実は「如何に全社を巻き込むか」が狙いにある
んです。
自所だけでなく、他所の内部監査にも目を向かせ、一緒に考え、
改善を図る。
内部監査を、「改善のためのお祭り」にしたことで、楽しくという
訳ではないけれど、必要な行事としてみんなが参加する。そんな
工夫から、当社には「ISOや審査のための内部監査」という意識
は無くなった。
本当に内部監査が「会社を良くするためにやっているんだ」が浸透
したのだと実感。
■ 今回は内部監査のアウトプットの展開の仕方とその工夫をご紹介
しましたが、次回は内部監査シリーズの締め括りとして「NKSの内部
監査理念」をご紹介したいと思います。
△ No.168 内部監査にかける熱い想い5 「NKS流業務品質討議会理念」
▽ No.166 内部監査にかける熱い想い3 「不適合じゃない、改善の種だ!」