●2016年10月6日
■ また、ある事業所でチョンボを出した。
お客様の計測器を引き取って、当社内で校正作業をする際、付属品
が不足しているにも拘らず作業を進め、計測器を壊してしまった。
(お客様関係者様、ご迷惑をお掛けしまして、申し訳ございません)
事実の経緯を整理すると、次の2点の問題が見えてきた。
①計測器を引き取った営業担当は、「付属品は付けてくれている
だろう」と思い込んで、預かる時に確認をしなかった。
②校正を担当した作業者は、付属品が無いと気づいていながら、
「大丈夫だろう」と勝手に判断し、関係者に連絡・相談しな
かった。
いずれの関係者も「~だろう」ばかりで、何の確証も持たずに仕事
を進めたことが今回の原因。
■ この事実を社長に報告すると、次のように指摘された。
「仕事とは、予断を入れず、確証・裏付けを持った「事実」の積
み重ねによって実現されるもの。
QMSで基本的な仕事は出来る。
けれども、より安全で確実で品質の高い仕事になるように、一
つずつ確証・裏付けを押さえることが出来る(もしくは押さえよ
うとする)ことが、‘本来の力量’じゃないか。
QMSのルールが意識される一方、確証の意識が薄れてしまう。
まさしくこれが『QMSの落とし穴』だ」
■ こういうチョンボは、交通事故と同じかもしれない。
起きてしまった後に
「まさかあんなところから車(人)が出てくると思わなかった」
「まさか前方の車が急に止まると思わなかった」と思い、
「もっと確認をすればよかった」
「もっと車間距離を開けておけば良かった」と反省する。
予断の行動は、想定しない事故やチョンボに繋がる。
でもその時
「前方の車が急に止まるかもしれないから、車間距離を開けて
おこう」
「付属品が無い状態で運転させると壊れるかもしれないから、
お客様に借りてから作業をしよう」と、
所謂「危険予知行動」をしていれば、事故やチョンボは未然に防げ
たかもしれない。
■ 今回のチョンボの改善策は、また後日紹介したいと思いますが、
「確証・裏付けを持って仕事を進める‘本来の力量’」を養うため
にはどうしたらいいんだろう…
『QMSの落とし穴』を埋める…大きなテーマにぶつかったよぉ…
△ No.184 NKS流QMSが月刊アイソスに掲載されました
▽ No.182 内部監査の第3章 業務品質討議会が始まった